親愛なる同志たちへ

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劇中、主人公リューダの周りには3人の男が登場します。人民のために戦った男、人民を指導(皮肉)する男、人民を監視する男。彼女は、戦地で兵士と不倫関係の末に娘を出産し、今は共産主義を維持する共産党支部の上司と不倫関係にあります。男たらしで強く魅力的な女性リューダは、自分を監視する側のKGB職員までも魅了していきます。
これほど役者がそろっていてもロマンチックな話はひとつも描かれておらず、彼女が女性として艶っぽく見える瞬間もありませんでした。先のKGB職員が、彼女に対して時折みせる「男」としての表情に、リューダが常に「女」として応えていない姿が印象的。劇中、何度も連呼される「同志」にも性別はありません。

 

なによりも色恋を優先させ、故に常に自分の色欲に振り回されて迷ってきた私には、最後まで主人公リューダの気持ちが理解できない映画でした。主義信条を信奉して突き進んでいった彼女の人生は幸せだったのでしょうか?